子の出生届をしなければならない方が、何らかの理由により出生の届出をしないために、戸籍に記載されない子が存在します。こうした子は無戸籍状態となり、その子の母や父が誰か親族的身分関係やその子が日本人であることを戸籍によって証明できなくなるほか、行政上のサービスを十分に受けられないなど様々な社会生活上の不利益を被る場合があります。
こうした無戸籍状態の解消の妨げの理由のひとつとなっていたのが、嫡出子推定された場合に、親子関係を否定するには嫡出子否認の訴えに限定され、その申立てをすることができるのは夫のみで、その申立期間は、夫が子の出生を知ったときから1年以内に限定されていたことでした。
しかし、民法が改正され、新民法においては、父だけでなく子及び法定代理人の母も嫡出否認の訴えを行うことができることとされ(新民法774条1項ないし3項、775条1項2号、3号)、提訴機関も3年に延長されました(新民法777条)。
そして、新民法が適用されるのは、新民法施行日である2024年4月1日以後に生まれた子どもに適用されるのが原則となっていますが、新民法施行日である2024年4月1日前に生まれた子どもやその母も、施行日から1年間に限り、つまり2025年3月まで嫡出否認の訴えを提起することが可能であるとの経過措置が規定されています。
そのため、これまで無戸籍本人又は母が嫡出否認の訴えができないことを理由に無戸籍を解消できなかった方は、2025年3月までに限り手続を行うことができることとなります。該当する方は検討されてもよいでしょう。
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